
代表の思いインタビュー
匠の技術、
そのすごさが伝わらないのが
もったいない、もどかしいと
思っていたんです。
部品製造業者様の強みを見出し、新規の顧客開拓をサポートしたい
――Q.貴社は、どのようなお客さまに、どのようなコンサルティングを行うのですか?
今喜多:当社は、中小の部品製造業者様に対する新規顧客開拓支援に特化しております。金属部品、樹脂部品などを作っている企業様の支援が中心になっています。そういった企業様は、誇ることができる「強み」を持っているのに、アピールすることが十分にできていないことが多いです。そんな隠れた「強み」を見えるようにして、新規顧客の開拓を支援することが使命だと考えています。
――なぜ、中小の部品製造業者様の支援をしたいと考えたのでしょうか?
今喜多:私自身、地元が大田区なんです。大田区にはたくさんの素晴らしい技術を持った製造業者様がありますが、それぞれの会社の強みが外に伝わっていない。匠の技術、そのすごさが伝わらないのがもったいない、もどかしいと思っていたんです。
さらに時代の流れで、「海外の工場の方が安い」という理由で仕事が移って行ってしまう。そんな中で、値段じゃない部分で仕事を戻すサポートをしたいと考えるようになりました。
――中小の製造業者様の多くが新規顧客の開拓に悩まれるのはなぜなのでしょうか?
今喜多:かつて下請型の中小製造業様の多くは、国内メーカーから潤沢な仕事を受けていました。新たに顧客を開拓する必要がなかったんですね。それが今、国内需要の縮小、大手メーカーの海外生産シフトなどにより受注量が減っていく中で、新規顧客開拓の必要性を感じる企業様が増えています。
しかし、今まで新規顧客開拓の経験を積まれていな企業様にとってはかなりチャレンジングな状況であり、成果を上げられていないのが現状です。この様な背景を受け、当社は、中小部品製造業様の新規顧客開拓に特化したコンサルティングをさせて頂くことにいたしました。



部品製造業ならではの、顧客開拓の課題とは
――今喜多さんのこれまでの経緯を教えてください。
今喜多:前職にてソニー株式会社に30年ほど勤務し、半導体などの部品営業、業務機器などのシステム企画提案営業など、様々な法人営業の実務経験がございます。
私が入社した1986年、ソニーは半導体の外販を始めたばかりで、入社したての頃から、様々な半導体の外販営業(他社メーカーに半導体を売る)の重要な仕事を任させて頂き、自ら考えて行動すると言う良い機会を得ました。在職中に担当させて頂きました半導体は、メモリー、C D(コンパクトディスク)、M D(ミニディスク)、8mmビデオ、メモリースティック、イメージセンサなど、ソニーのキーデバイスの多岐に渡ります。
―― ソニーといえば大手企業ですが、現在行われている「中小の部品製造業者様のコンサルティング」に、当時の仕事はどのように繋がっているのでしょうか?
今喜多:ソニーのブランド力があれば、半導体の営業も楽なのでは、と思われるかも知れません。しかし、想像して見てください。例えば、皆さんが、新しいテレビを購入検討しているとして、中にどこのメーカーの部品が使われているか調べてから購入されるでしょうか?また、あるブランドメーカーの部品が使われているからと言って、他社製品より値段が高くとも、製品を買っていただけるでしょうか?
私が営業を担当していた「半導体」という製品は、最終製品ではないというのがポイントです。多くの中小の製造業者様と同じ課題に向き合っていたのです。私も大手メーカーに対して、自社の半導体を採用してもらうために試行錯誤していました。最終製品ではない、「部品」を他社ではなく自分のところから買っていただくための営業をしていたのです。
――なるほど。ソニー時代の仕事は、部品製造業ならではの新規顧客開拓の課題の解決、という所に繋がるのですね。もっと具体的に言うとその課題とは何でしょうか?
今喜多:整理すると、部品製造業の新規顧客開拓は、これからご説明する3つの理由から、最終製品の顧客開拓とは違った難しさがあります。
1つ目は、「コストありきになりやすい」ということです。
さきほどのテレビの例でも触れましたが、テレビそのもののブランドで、多少値段が高くとも良いと思う人はいますが、中にソニーのチューナーが入っているからと言って高く買う人はほとんどいない。つまり、部品の付加価値で、最終製品の値段を上げることは難しいのです。よって、競合部品が存在する中において、メーカーの購買部門は、コストありきになり易いのです。
2つ目は、「なかなか話を聞いてもらえない」ということ。
新規販売先候補には、当然、部品の既存取引先が存在しています。そして、納入業者を変更するには、手間(部品変更に伴う品質確認、業者登録、図面登録、関係部署調整など)が掛かるため、このスイッチングコスト以上に部品を変えるメリットがないと、話を聞いてくれません。また、顧客の窓口である購買部門は、年率 何パーセントコストダウンするかの目標を設定していることが多く、“で、なんぼ?”の会話になっています。
3つ目は「真のニーズが分かりにくい」ということ。
部品の納入先は、部品製造業や最終メーカーで、更にその先に製品のユーザーがいますが、部品の仕様そのものからは、最終メーカー、ユーザーにどの様に役に立っているのかが見えてきません。そのため真のニーズが分かりにくく、部品納入業者は、部品そのもので高付加価値化を図るネタが見つけづらく、競合他社部品製造業との差別化が難しい傾向にあります。
部品製造業ならではの、顧客開拓の課題とは
――今喜多さんのこれまでの経緯を教えてください。
今喜多:前職にてソニー株式会社に30年ほど勤務し、半導体などの部品営業、業務機器などのシステム企画提案営業など、様々な法人営業の実務経験がございます。
私が入社した1986年、ソニーは半導体の外販を始めたばかりで、入社したての頃から、様々な半導体の外販営業(他社メーカーに半導体を売る)の重要な仕事を任させて頂き、自ら考えて行動すると言う良い機会を得ました。在職中に担当させて頂きました半導体は、メモリー、C D(コンパクトディスク)、M D(ミニディスク)、8mmビデオ、メモリースティック、イメージセンサなど、ソニーのキーデバイスの多岐に渡ります。
―― ソニーといえば大手企業ですが、現在行われている「中小の部品製造業者様のコンサルティング」に、当時の仕事はどのように繋がっているのでしょうか?
今喜多:ソニーのブランド力があれば、半導体の営業も楽なのでは、と思われるかも知れません。しかし、想像して見てください。例えば、皆さんが、新しいテレビを購入検討しているとして、中にどこのメーカーの部品が使われているか調べてから購入されるでしょうか?また、あるブランドメーカーの部品が使われているからと言って、他社製品より値段が高くとも、製品を買っていただけるでしょうか?
私が営業を担当していた「半導体」という製品は、最終製品ではないというのがポイントです。多くの中小の製造業者様と同じ課題に向き合っていたのです。私も大手メーカーに対して、自社の半導体を採用してもらうために試行錯誤していました。最終製品ではない、「部品」を他社ではなく自分のところから買っていただくための営業をしていたのです。
――なるほど。ソニー時代の仕事は、部品製造業ならではの新規顧客開拓の課題の解決、という所に繋がるのですね。もっと具体的に言うとその課題とは何でしょうか?
今喜多:整理すると、部品製造業の新規顧客開拓は、これからご説明する3つの理由から、最終製品の顧客開拓とは違った難しさがあります。
1つ目は、「コストありきになりやすい」ということです。
さきほどのテレビの例でも触れましたが、テレビそのもののブランドで、多少値段が高くとも良いと思う人はいますが、中にソニーのチューナーが入っているからと言って高く買う人はほとんどいない。つまり、部品の付加価値で、最終製品の値段を上げることは難しいのです。よって、競合部品が存在する中において、メーカーの購買部門は、コストありきになり易いのです。
2つ目は、「なかなか話を聞いてもらえない」ということ。
新規販売先候補には、当然、部品の既存取引先が存在しています。そして、納入業者を変更するには、手間(部品変更に伴う品質確認、業者登録、図面登録、関係部署調整など)が掛かるため、このスイッチングコスト以上に部品を変えるメリットがないと、話を聞いてくれません。また、顧客の窓口である購買部門は、年率 何パーセントコストダウンするかの目標を設定していることが多く、“で、なんぼ?”の会話になっています。
3つ目は「真のニーズが分かりにくい」ということ。
部品の納入先は、部品製造業や最終メーカーで、更にその先に製品のユーザーがいますが、部品の仕様そのものからは、最終メーカー、ユーザーにどの様に役に立っているのかが見えてきません。そのため真のニーズが分かりにくく、部品納入業者は、部品そのもので高付加価値化を図るネタが見つけづらく、競合他社部品製造業との差別化が難しい傾向にあります。


相手の課題に応える“つかみはOK”の戦略を
――何だか部品製造業の顧客開拓は難しそうです。貴社では、どの様に新たな顧客の開拓を進めるのですか?
今喜多:インターネットなどで様々な情報が得られる中、多忙なお客様は、中々時間をとって話を聞いてくれません。これは、セールスの電話が自身にかかって来た時のご自身の対応を振り返って頂ければ、容易に想像できます。
そこで、商談につなげるためには、“つかみはO K”の訴求内容を固めることが鍵になります。たとえ、顧客ニーズにドンピシャな提案ではなかったとしても、これをきっかけに、顧客ニーズを掘り下げて聞き出すことが出来ます。
しかしながら、顧客に響く訴求内容は、相手によって変わって来ます。“誰に対し何を訴求できるのか(What)”が閃けば良いのですが、多くの中小製造業様はこの段階で考えがまとまらず、これ(What)を曖昧にしたまま、展示会に出展しよう、あるいはホームページを作り直そうなどと、どの様に営業するか(How)を考えてしまいがちです。このような状況ですと、ターゲットや訴求内容が曖昧なため、成果が上がりません。
そこで、当社は、思考を深めるフレームワークを用いながら、システマチックにお客様の強みの洗い出し、販売先候補の抽出を行い、お客様の課題やニーズを踏まえながら、販売先候補の喫緊の課題の仮説を立てることにより、“つかみはO K”の訴求内容を固め、商談確率を高められる営業活動をご支援いたします。

バリューサーチオリジナルフレームワークツール
―― 「販売先候補の喫緊の課題の仮説を立てる」とはどういったことでしょうか。詳しく教えてください。
今喜多:喫緊の課題とは、差し迫って重要な課題のことです。つまり、お客様が直ぐに取り組まなければならないと考えている課題に対し、その解決策を提示することにより、商談成功確率を高めることが出来ます。
――販売先候補の喫緊の課題には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
今喜多:その前に、中小部品製造業様の悩みは何でしょう。国内需要の低迷、東アジア諸国の台頭により、売上低下、収益性悪化に対し、対策を打ちたいが、良い方法が無くて困っているのではないでしょうか。これは、実のところ、販売先候補の企業にとっても同じではないでしょうか。こう考えると、製品がより売り易くなる、あるいは高付加価値販売が可能となるような提案を、販売先候補が求めていることが分かります。
――なるほど、販売先候補に対し、製品がより売り易くなる、あるいは高付加価値販売が可能となるような提案ネタを見つければ、商談に繋がる。貴社は、そのネタ造りの支援を行うと言うことですね。
今喜多:はい。その通りです。顧客の喫緊の課題の仮説を立てることにより、相手にこの会社と付き合うと得だと思わせることができます。こうして新規顧客との出会いのきっかけを作り、商談を重ねると、相手の業界や顧客ニーズ、あるいはノウハウなど、様々な知見を溜めていくことができます。その積み重ねで新規顧客を開拓していく流れを造ることが重要なのです。
また、顧客ニーズがあるか無いか不確かなまま設備投資などを行うのはリスクを伴いますので、なるべくお金を掛けずに次の事業ネタを発掘することが大事です。国内需要の伸びが期待できない中で、日本国内の中小部品製造業様の生き残り戦略として不可欠であると考えております。
――さきほどの”つかみはOK“の戦略がだんだん分かってきたように感じます。
今喜多:私は、ソニーで半導体の営業を担当していたころ、上流層(開発、設計部門など)へアプローチしていく方法を取っていました。顧客の開発設計部門に対し、先回りして、お客様の要望に応じて、リファレンス回路、ミドルウェアなどをご提供することで、上流層の方が、当社の半導体の採用に協力してくれる状態を作っていました。こうして当社より安い価格提示をする競合他社への切り替えを阻止するという実績を積んでいったのです。この経験を通して、先回りして顧客のニーズを取り込むことが、高付加価値販売の秘訣であると実感しております。
また、入社数年目の時に、社内ベンチャーに参画し、業務機器システムの企画提案営業を経験いたしました。自身で企画提案を考え、その売り込み先にアポイントを取って営業に行く。T V会議システムの導入や、緯度経度の数字しか表示しない頃のGPSの活用を提案したりいたしました。この時の経験を通して、顧客ニーズの仮説を立て、顧客に対し“つかみはO K”の営業を行うことの重要性を肌で経験いたしました。“つかみはO K”の営業をすることが、特徴がアピールしにくい部品営業においては、新規顧客開拓の秘訣であると考えています。
――最後に、貴社の社名の由来を教えてください。
今喜多:バリューサーチとは、「価値追及」という意味です。当社は、売上低迷、収益率低下でお悩みの中小企業様に対し、お客様の新たな価値を見出すことを使命としております。そして、その価値を伝える方法を共に考え、新規の顧客開拓をサポートして参ります。
今喜多 秀幸(いまきた ひでゆき)
1986年 静岡大学 工学部 電気工学科 卒業
1986年 ソニー株式会社入社
2014年 今喜多コンサルティングオフィス開業
2015年 株式会社バリューサーチ設立
地元大田区の中小製造業様の経営支援を通じて、自身のデバイス営業経験が最も活かせる中小部品製造業に特化した新規顧客開拓方法を独自に体系化
