特徴を打ち出しにくい部品製造業が自社のアピール力を高める方法(前半)

前回のブログで、部品製造業様の直接の顧客である製造業自身が売上回復を課題としている今こそ、新規顧客開拓のチャンスであると記載いたしました(「部品製造業の皆さまによって、今こそ、新規顧客開拓のチャンスである」ご参照ください)。
では、どうやってアピールするかですが、まずは、ターゲット顧客が飛びつく(つかみはOK)の内容を創り出す必要があります。
その際、ターゲット(業界、用途、顧客層)が定まっていれば、比較的スムーズに考えを深めていくことができると思いますが、部品製造業様の中には、今まで新規顧客開拓の必要がなかったため、自社の加工技術、部品が販売できそうな新たなターゲットが定まっていないケースが散見されます。
その様な場合、以下のステップで、事業ネタを検討されては如何でしょうか。
自社アピール内容検討ステップ:
Step1.自社の強みの再発見
Step2.販売先候補の洗い出し
Step3.強みと販売先候補(ターゲット)ニーズのマッチングによる優良ネタの抽出
Step4.顧客に響くコンテンツの作成
Step5.顧客アプローチ方法設計
それでは、各ステップを進めるにあたってのポイントを以下でご説明いたします。
「自社の強みの再発見」のポイント:
いきなり無作為に自社の加工技術の強みは何だ、自社部品の他社との差別化要因
は何だと考えても、中々、アイディアが思い浮かびません。
そこで、“既存顧客が自社を採用してくれている要因をQCDS*1に分けて書き出してみる””自社の強みを4M*2”に分けて書き出してみる“など切り口を決めて、まずは質より量を重視して、実際に思い付いたアイディアを書き出してみます。
※1:QCDS:Quality(品質)、Cost(価格)、Delivery(納期)、Service(サービス)
※2:4M:Man(人)、Machine(機械)、Material(材料)、Method(方法)
「販売先候補の洗い出し」のポイント:
まずは、一旦自社の強みが活かせるかどうかは横に置いておいて、自社が新たに販売したいターゲット(業界、用途、顧客層)、過去の引き合い案件などを書き出します。
ここでは出来るだけ多くのターゲットを出しておきたいので、ターゲット候補が少ない様であれば、検索サイトで同業他社のホームページをいくつか調べ、主要取引先の
会社が何を作っている会社かを調べ、業界、用途を想定し、ターゲットに加えます。
加えて、できれば今後伸びていく業界が良いだろうということから、ロボット分野などの成長分野を加えます。
「強みと販売先候補ニーズのマッチングによる優良ネタの抽出」のポイント:
ここで、販売先候補が何を求めているのか(ニーズ)が明確であれば良いのですが、
部品製造業の場合、半製品であるため販売先候補が本来何を求めているのかが図面などから読み取れず、どんな提案をすれば良いかがわからないといったケースが見られます。その際には、完成品メーカーのニーズ、最終消費者のニーズ、困りごと、業界の動向、課題と遡って考えれば、部品に求められる品質、性能なども見えてくるのではないでしょうか(下図「部品製造業の取引の流れ」ご参照ください)。

さて、ここまで、Step1〜3までご説明して参りました。
次回は、Step4.顧客に響くコンテンツの作成とStep5.顧客アプローチ方法設計についてご説明いたします。