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業界の常識、一般の非常識の製造業における具体例


昨日、業界の常識、一般の非常識ということを記載しました(「業界の常識、一般の非常識」をご参照下さい)。

今回は、製造業で、私が実際に体験した話をご紹介します。

以前、経営診断させて頂いた樹脂加工の中小製造業様の主な取引先は、大手家電メーカーで、掃除機のプラスチックカバーを製造しておりました。

財務諸表を拝見すると、この何期間か債務超過が続いています。中身を分析していくと、その大手家電メーカーとの取引は赤字であることがわかりました。

その後、その会社の工場のラインを見学させて頂きましたが、ラインの女性が、加工されたプラスチックカバーの多くを不良品箱に入れている姿が目に留まりました。

現物を見させてもらうと、素人の私には何が不良なのかわかりませんでしたが、説明を受けると、微妙に成型時に縞模様が見られるとのことでした。

なお、不良品のプラスティックカバーは、再度、溶かして原料に使うため、材料の無駄にはなりませんが、当然ながら、加工工数の無駄は発生しています。

そこで、私は、そこの社長に、大手家電メーカーと交渉し、規格を緩めてもらうか、それが認められないなら価格を上げてもらうべきであると提案致しました。

後日談ですが、最終的には、規格を緩めることは認められず、価格を上げてもらうことで決着したそうです。

一方、今、売れているダイソンの掃除機のプラスティックカバーの仕上げを見てみて下さい。成型の仕上げは引き上げの縞模様があり酷いものです。

私も、ダイソンのコードレスクリーナーを使っていますが、それでも、消費者としては、その吸引力に十分満足しており、プラスティックカバーの縞模様は、今は、気にはなりません。

いくら掃除機のプラスティックカバーの仕上げにこだわっても、所詮、掃除機です。使い始めれば、すぐに傷が付きます。

これも、日本の家電メーカーの常識から、製品の仕上げは綺麗でなければ日本人には受け入れられないという固定観念から脱却できなかったものを、ダイソンは機能に特化し、無駄なコストを省いて成功した例といえるのでは無いかと思います。

お客様が全て正しいことを言っているとは限りません。過剰な要求を受けた際には、是非、一度、このダイソンの掃除機の例を思い浮かべて下さい。

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代表取締役 今喜多 秀幸


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